めまいと腰痛
長年、めまいに悩んでいた50代女性の方(愛知県在住)
「めまいや頭がフワフワする、ここ最近は腰痛も出てきた…」
と来院されました。
気になる症状として
・めまいや頭のフワフワ感
・耳がボーンとふさがったような感じ
・頭の中が膨れたような感じ
・頭痛
・肩こり
・腰痛
・足の冷え
・便秘と下痢を繰り返す
などを訴えていました。
めまいや頭のフワフワ感は数年来の症状で、ひどい時は動くことができず、
横になっているしかないような状態だったそうです。
病院では、自律神経を調整する薬を処方され飲んでいたが、あまり変化を感じていないとのことでした。
そこでしばらく整体に通い、ずいぶん軽くなったそうですが、
あともうちょっとが良くならない…。
また、腰痛持ちではなかったのに、最近腰が痛くなったのは何でだろう?
と不思議がっていました。
では、これらの症状を東洋医学的に考えていきます。
鍼灸施術のベースには「陰陽」の概念がありますので、
身体の状態を「陰陽」で全体的に捉えてみます。
陽…上、熱、動
陰…下、寒、静
でしたね(詳しくは「陰陽について」)。
症状は主に頭や肩にあり、これらは身体の上部に位置しますので
→陽です
頭の中が膨れたような感じやフワフワ感は、熱気球のような状態です。
熱気球は上昇する熱気によって、上部が膨らみフワーっと上がっていきますよね。
まさに身体がこのような状態ですので
→陽の状態です
身体の熱が上から下までバランスよく巡っていればいいのですが、
上に偏った状態ですので、下部の足が冷えてくるわけです。
これらのことから、身体の状態は
陽>陰
と考えられます。
また、買い物に行ったり家事をするとフワフワ感が出てくるとおっしゃっていました。
これは、
活動すること=陽
ですから、
身体のバランスが陽>陰なのに、さらに陽に分類されることをすることで
この状態が助長され、症状が出現するのです。
自律神経の問題かな?とお悩みでしたら、自律神経失調症について詳しく書いたページを参考にしてください。
そして、この方が疑問に思っていた腰痛について。
東洋医学では、さまざまな症状の根っこにあるものは、
内臓の働きや各内臓のバランスの問題
と捉えます。
腰と関係が深い内臓は
「腎」
です。
腎は「陰中の陰」と表現されるように、陰の性質が強い臓です。
お身体の状態が
陽>陰
ということは、
陰の働きが弱いということ。
それを内臓に当てはめて考えると、腎の働きが弱いということになります。
また、腎は「二陰」と関係しています。
二陰とは、尿道と肛門、すなわち大小便の問題とも関係するのです。
この方は、便秘と下痢を繰り返していましたので、このことからも腎が関係していることが分かります。
以上をまとめると
身体の状態は
陽>陰
根っこである内臓は
腎の働きの問題
となります。
鍼灸施術では、陰をしっかりさせること、腎の働きをしっかりさせることを主とします。
腎のツボ…腎兪、陰谷、太渓
に鍼で陰を補いながら
膀胱のツボ…委中、跗陽
の熱をさばくことで、バランスを整えていきます。