めまいを惹き起こす生活習慣とは
「めまいに悩む50代女性」
この方は、めまい以外にも頭痛や耳の詰まり感も訴えていました。症状は数年来のもので、いろんな不調が改善してもめまいだけはなかなか取れなかったそうです。
この症状について、東洋医学的に考えてみます。
鍼灸の考え方のベースには「陰陽」の考え方があります。
陽…熱、上、動、明、昼
陰…寒、下、静、暗、夜
などです。
※詳しくはこちらのブログを参考にしてください。
めまいや頭痛、耳の不調は頭(身体の上部)に起こっています。上部は「陽」ですね。
めまいはフワフワしたりグルグル回転したりと、動的な反応ですから「陽」の症状といえます。
つまり、身体は陽>陰のバランスになっていると考えられます。
この方は、仕事でパソコン作業をしたり家族の食事を作ったりと、日中は活動的。ちなみに食事の味付けは濃いめ。夜はスマホを見て就寝、という生活を送っていました。
パソコン作業は目に光刺激が加わり、神経をたかぶらせます。神経がたかぶった状態は「静」ではないので、「陽」です。
パソコン作業に加えて、夜にスマホを見ることでさらに陽が強くなってしまいます。
また、濃い味付けや甘いもの、脂っこいものは「陽」の要素が強い食べ物です。
この様な生活が身体のバランスを陽に傾け、めまいという症状を惹き起こしたのでしょう。
生活習慣の改善策として、夜にスマホを見るのを止めていただきました。
食事は家族の味の好みがあるのでいきなり変えるのは難しい、とのことでしたので長期的に徐々に変えていくこととし、まずは添加物の少ない調味料を使っていただくことと、食事量を8分目にすることからはじめていただきました。
間食する習慣もあったため、甘いものではなくナッツ類をおすすめしました。
一進一退を繰り返しながら、徐々に生活習慣の改善をしていき、鍼施術をはじめてから3か月ほどで、症状が軽くなっていることを実感されるようになりました。
生活習慣で大切なことは、陽に傾ける要素をできるだけなくし、陰を増やすような生活を心がけることです。
鍼灸施術も方針は同様です。
余剰な陽を取り除いて、陰を増やすように鍼をしていきます。
どんな症状であれ、その根っこにあるのは「内臓の働きやバランスの問題」です。
とくに陰を増やす(しっかりさせる)には、腎と肝をしっかりさせないといけません。
腎と関係するツボ…腎兪(じんゆ)、陰谷(いんこく)、太渓(たいけい)
肝と関係するツボ…肝兪(かんゆ)、太衝(たいしょう)
あわせて陽を抑えていかないといけないので
胃と関係するツボ…足三里(あしさんり)、下巨虚(げこきょ)
胆と関係するツボ…懸鍾(けんしょう)、陽陵泉(ようりょうせん)
などに鍼をして、身体のバランスを整えていきました。
鍼灸ひののきの鍼施術については、こちらのページも参考にしてください。
ちなみに、自律神経の乱れも陰と陽のバランスの乱れと考えます。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、活動的なときは交感神経が、リラックスしているときは副交感神経が優位になっています。
これは交感神経が「陽」、副交感神経が「陰」と捉えることができます。
羽島市でめまいや不眠など自律神経の不調でお悩みなら、一度ご相談ください。