陰と陽について③
今回は、人の身体を陰陽で捉えてみます。
自然界をみてみると、夏は暑く冬は寒いのが当たり前です。これは一年を通して陰陽のバランスが取れている状態です。しかし、夏に寒く冬に温かいといったように陰陽のバランスが崩れれば、農作物などさまざまなところに影響がでます。私たちの身体も陰陽のバランスが整っていれば健康で、バランスが崩れればさまざまな症状が現れます。
身体の部位を陰陽で分類してみると
陽…上部、背、左、気、六腑
陰…下部、腹、右、血、五臓
症状を陰陽に分類してみると
陽…発赤、腫れる、熱感がある、かゆみ、のぼせ、便秘、など
陰…青白い、力がない、冷え、食欲不振、気力がない、など
となります。
花粉症を例にしてみましょう。
よくある症状として、くしゃみ、鼻水、目のかゆみがあります。
症状は顔に出ています。顔は身体の上部に位置するので「陽」の部位です。
くしゃみや鼻水、かゆみは身体にこもった熱を外に出したいという働きですので「陽」です。
陽の部位に陽の症状が出ていることから、身体のバランスは陽>陰と考えられます。
また、陰陽のバランスの崩れは
・どちらかが強すぎる場合
あるいは
・どちらかが弱すぎる場合
によって起こります。
鍼灸や漢方では、どちらかが強過ぎればそれを取り除き、弱過ぎれば補うことでバランスを整えていきます。
そのため、陰が弱すぎて相対的に陽>陰となっているのか、または陽が強すぎて陽>陰となっているのかによってアプローチの仕方が異なります。施術の中で肌や脈をみたり、生活習慣を尋ねたりすることによって、身体がどんな状態かを総合的に判断していきます。
また、陰陽のバランスを崩しやすい生活習慣には
食べ過ぎ・飲み過ぎ
エアコンの温冷風
長風呂やサウナ
長時間のスマホやパソコン作業
睡眠不足
などがあります。
体調が思わしくない時は、鍼灸施術と合わせてこれらの生活習慣も見直してみてください。