冬の過ごし方
今日は「立冬」。
暦ではもう冬になりました。
冬は、万物が静かに閉じこもる時期で、陰気を養い陽気を蓄えて春に備えます。
一年の中で夏は「陽」が強く、冬は「陰」が強い季節です。
そして、冬至で陰がピークとなり徐々に陽が増えていきます。
中国の古い医学書に、「冬は閉蔵(へいぞう)」と書かれています。
閉蔵とは、蔵の戸をしっかりと閉ざしてしまっておく、といったイメージです。
身体においては、秋に体内に氣血を収め、冬はそれらを漏らさないようにしっかりと蓄え、春の活動力の基礎を作ります。
動物は冬眠しますし、植物も春に芽を出すために内にエネルギーを貯めますね。
この時期に、しっかりと内に蓄えるから春に元気に動けるわけです。
冬の生活のポイントは
「陰を養い、陽を蓄える」
ことです。
汗をたくさんかくような激しい運動など、活動的なことは控えめにして、夜は早く休みましょう。
夜遅くまでパソコンやスマホ、テレビを見るのも控えた方がいいですね。
また、冬は寒くて当たり前です。
暖房や長風呂などで暖め過ぎると、毛穴が開き熱を逃がそうとします。
本来なら熱を逃がさないように、身体は毛穴をキュッと閉めているのですが、暖めることで逆の働きをしてしまうんですね。
そして、毛穴が開いたところに冬の冷気が入れば体調を崩します。
現代は便利になり、冬でも暖かく夜でも明るいといった、ずいぶん不自然な生活となっています。
このような生活は、身体のバランスを崩しやすく、花粉症やアレルギー、その他の病気とも無関係ではないでしょう。
ゲーテは
「人は自然から遠ざかるほど病身に近づく」
と言っています。
≪私の冬の過ごし方≫
風呂は基本的にシャワーのみで、湯船に浸かるのは数回程度。
暖房については、まず着るもので調整することが最優先です。
暖かい恰好をして、それでもダメならストーブを入れる、
という順番にしています。
施術中は、さすがにエアコンを入れますが、自宅ではエアコンは入れません。
暖かい空気を吸うことで、のぼせやすくなるからです。
カイロは貼りませんし、ショウガ紅茶も飲みません。
そのおかげか?花粉症とは無縁です(^_^)
春先に花粉症で悩んでいる方は、できるところから実践してみてくださいね。
ここからは、東洋医学の少し専門的なお話し。
東洋医学は、自然界の現象を人の身体にも当てはめて捉えました。
冬は季節の中では陰に分類されます。
内臓では、「陰中の陰」と表現される「腎」が関係します。
冬の生活のポイントである
「陰を養い陽を蓄える」
ことに反する生活を送っていると、腎に負担がかかります。
腎と関係の深い身体の部位は、耳、腰、髪の毛、歯、膀胱などですから、これらの部位に問題が出るかもしれません。
つらい腰痛に悩まされている方は、
「陰を養う」
を意識した生活が大切ですね。