頭のふらつき
来院された方を例にして、この症状をみていきたいと思います。
この方は、微熱と咳が続き内科で風邪薬を処方してもらいました。熱は落ち着いたものの、その後咳が1ヶ月ほど続き、治まったと思ったら今度は頭がふらつく様な症状が出てきたため、来院されました。
東洋医学では、陰陽の概念が根本原理としてあります。
陰陽の法則として、陽が増えれば陰が減り、陰が増えれば陽が減ります。
では、今回の症状はなぜ起こったのでしょうか?
微熱と咳の症状から身体は陽>陰の状態だったと考えられます。
私たちの身体は常にバランスを保とうと働いています。これを恒常性とよびます。身体に余剰な熱(陽)が生まれたら、それを排出して陰陽のバランスを保とうとします。
身体は発汗、咳という症状を出すことで、陽を排出してバランスを取ろうとしました。しかし、咳止めなどの薬により、本来排出しなければいけなかった熱(陽)を出すことができなかったため、今度は頭のふらつきという症状を出したのです。
頭のふらつきは、身体の上部に動揺性の症状が出ていることですので、陽の部位に陽の症状が出ていると考えられます。つまり、陽>陰の状態です。
そのため、余剰な熱をさばいて陰をしっかりさせる施術を行いました。かつ、生活習慣として食べ過ぎないこと、薄味にすること、早く寝ることなどをご説明しました。
症状は身体からのサインです。
風邪薬や咳止め、下痢止めなど症状を抑える薬のCMを目にする機会が多いですね。
しかし、薬で抑え込む前に、なぜそのようなサインが出ているのか、ご自身の身体と向き合ってみることも大切だと思います。
そして、鍼灸施術でバランスを整えてくださいね。