ショッピングモールや駅での不安感がなくなった
鍼灸ひののき院長の日野です。
ショッピングモールや駅で不安感・緊張に悩む女性の事例をご紹介します。
■来院された方:一宮市在住、30代女性
■主な症状:不安感、緊張感、フワフワ感
〇来院までの経緯
2週間ほど前にフワフワ感が強くなる。以前もふわつきが強くなったことがあり、その時症状が出たショッピングモールや駅に行くと緊張感と不安感が出るようになった。薬以外で症状を改善させたいと当院に来院された。
〇初回来院時の主な悩み
・不安感
・フワフワ感
・特定の場所での緊張、予期不安もある
〇その他付随する症状
・肩こり
・腰痛
・手足の冷え
・排卵期の不調
〇現病歴
なし
〇鍼灸ひののきの見立て
一年前に配置転換があり、忙しい職場に移った。2か月前に頼りにしていた先輩が退職し、仕事の責任と負担が大きくなったとのこと。
仕事のプレッシャーや不安、緊張も体調に影響してそうです。
東洋医学では、気や血のめぐりを大切に考えます。不安感や緊張感が続くと、気のめぐりが悪くなります。気が滞ると、不安感、フワフワ感、肩こりなどの症状が出やすくなります。
さらに、気のめぐりが悪くなると血のめぐりも悪くなります。手足の冷え、排卵期の不調があることからも血のめぐりの滞りが考えられます。
血は精神の安定や睡眠の質とも関係が深いので、この方の不安感は気・血のめぐりの悪さが影響しているでしょう。
当院では、さまざまな不調の根っこには「内臓の働きやバランスの問題」があると捉えます。
フワフワ感、肩こり、排卵期の不調…肝
腰痛、排卵期の不調…腎
が関係が深いのですが、単純にスパッと分類できるものではなく、相互に影響し合いますし、不安感や緊張感は肝、腎がともに関係してきます。
(※内臓については、施術についてを参考にしてください。)
〇鍼灸施術の方針
上記から
「腎と肝の働きを整え、気血のめぐりを良くする」
仕事の都合もあり、施術は一週間に1回のペースで始めました。
〇施術経過
・1回目
腹診では、瘀血(おけつ、血のめぐりの悪さと考えてください)の反応があり、肩のコリも強かった。
仰向けで、手足にあるツボに接触鍼(せっしょくしん…鍼を刺さずにツボに触れる手技)。「復溜…腎と関係するツボ」など。
うつ伏せになってもらい、ふくらはぎに施術。
最後にもう一度仰向けで、お腹にあるツボ「関元-かんげん」に施術して様子を見る。
鍼灸は初めてとのことだったので、1回目は軽めの刺激にした。
・2回目
排卵期に入り、絶不調とのこと。フワフワ感が強く、肩こり、手足の冷えが気になる。
三陰交(さんいんこう)へのお灸と鍼を追加。
・3回目
休みが多くゆったり過ごせたので調子が良い。
こういう方の場合、普段は気が張って一所懸命に頑張っている状態であることが多いです。そのため、気のめぐりが悪くなってしまいます。
同様の施術を行う。
・4回目
不安を感じることなく、一週間過ごせた。フワフワ感もなかった。まだ足の冷えはある。
首・肩への処置を増やす。次回から施術を10日間隔に延ばす。
・5、6回目
足の冷えはなく、引き続き不安感はない。
・7回目
買い物にショッピングモールへ行ったが、不安感もフワフワ感も無かった。
これまでは「体調が悪くなったらどうしよう…」とドキドキしながら行っていたが、不安視しなくて良くなった。
施術の間隔を2週間に1回にする。
・8~10回目
フワフワ感、不安感、緊張感は出なくなった。ただ排卵期はまだ不調が出る。
・11回目~
排卵期の不調はあるが軽減。フワフワ感、不安感、緊張感は一切ないとのこと。
買い物も電車での外出も苦にならない。
まだ仕事の疲労度によって体調に波があることと、排卵期の体調を整えることをメインに施術をしていくこととなった。
〇院長から
施術4回目頃から主訴の不安感、フワフワ感が変化していきました。
それが自信となり、さらに症状の軽減につながるという正のスパイラルに入ったようでした。
ご本人は身体・健康への意識が高く、どんな状況になると体調が悪くなるのかをご自身で検証していたので、生活習慣の対策も納得して取り組んでいただけました。そのことも症状軽減に大きく貢献したと思います。
特に取り組んでいただいたのは、夜のスマホの視聴を減らすことです。
スマホで漫画を読む習慣があったので、夜だけでも控えていただきました。
目への光刺激は神経をたかぶらせ、東洋医学的には血を消耗させると考えます。冒頭に書いたように、血は精神の安定と睡眠の質に関係します。しっかり血を養い全身をめぐるようにするためにも、夜は目を休めることが重要です。
こういった生活の積み重ねによって、リラックスしやすい体となり不安感や緊張感も軽減しやすくなります。
※一事例であり、すべての方に効果を保証するものではありません。