動悸、手足の冷えが無くなった事例
鍼灸ひののき院長の日野です。
今回は、手足の冷え、動悸に悩む方の症例をご紹介します。
■来院された方:40代、男性、羽島市在住
■主な症状:手足の冷え、動悸、背中のコリ
〇来院までの経緯
自律神経の不調で服薬をしていたが、今ひとつ良くならなかったので、
検索して来院された。
〇初回来院時の主な悩み
・1~2年前から手足が冷える
・背中や腰がこって痛くなることもある
・動悸がする
〇現病歴
なし
〇鍼灸ひののきの見立て
初回カウンセリング時に、お身体の状態について詳しくお聴きしたところ、
・以前は冷えより、熱いほうだった。
・風呂上りにかゆみが出る。
・足の後ろ側がつる。
・疲れやすく、重だるい。
・生活習慣では、食べ過ぎ・飲み過ぎの傾向がある。
とのことだった。
これらのことから、手足に冷えはあるが、その根底には「熱」があると考えられる。
鍼灸理論のベースに「陰陽論」があり、陽(熱)が極まると陰(冷え)に転ずる、
という考え方がある(詳細はこちらのブログをご覧ください)。
そもそも身体は熱いほうだったことや、かゆみが出ることなどから、熱が多い体質だったことがうかがえる。それに加えて、食べ過ぎ・飲み過ぎなどの習慣によって熱が極まって、冷えという症状が出たと考えられる。
このことから、冷えがあるから温める、という対処をすると逆効果となってしまう。
次に内臓についてみてみると、
背中・腰のコリや痛み、疲れやすい、足の後面がつる、などから主として「腎・膀胱」の問題があると考える。
また、筋肉の問題と捉えると「肝」の働きの問題も視野に入れなければならないし、手足の問題と捉えると「脾・胃」も関係する。
生活習慣の中で胃への負担があることからも、影響は考えられる。
(※内臓については、施術についてを参考にしてください。)
〇鍼灸施術の方針
上記をまとめると
・身体のバランス:陽>陰
・主に関係する内臓:腎・肝・脾胃(厳密には他の臓も関係する)
陽が強いので「余剰な陽を落ち着かせる」
ことが大きな目標である。
そのために、腎、肝を補い、膀胱、胃の熱をさばく鍼をしていく。
生活習慣では、
飲酒量を減らす、食事の質・量を見直す、入浴時間を短くする
を実践していただいた。
〇施術経過
まずは1週間に一度のペースで通院してもらう。
・1~2回目
初回の施術後にかゆみがなくなり、動悸の回数が減った。
手足の冷えは横ばい。寝つきが悪い日が何日かあった。
首から背中にかけてのコリと痛みがある。
・3回目
手足の冷えを感じなくなり、腰痛がなかった。
首から背中にかけてのコリと痛みはある。
就寝時間が遅くならないように心がけている、とのこと。
・4回目
一週間を通して、調子が良かった。
来院時の朝に背中が張り始めた、とのこと。
お家でストレッチを実践。飲酒量も気をつけている。
・5~6回目
手足の冷え、動悸はない。よく眠れているとのこと。
背中の張りが時々ある。また、雨天時に頭痛がすることがある。
・7回目
前回後、とくに不調を感じることなく生活ができた。
次回から施術間隔を空けてみる。
・8回目
施術間隔を10日空けてみたが、後半に少し症状が出る程度。
次回から2週間空けることをテストする。
〇院長から
鍼灸施術開始から約1か月で、手足の冷えや動悸が消失した。
来院された当初、目の下にクマができていてお身体がつらそうな印象を受けたが、現在は表情も変化が感じられる。
これは鍼灸だけでなく、生活習慣の改善に積極的に取り組んでいただいたことが非常に大きい。
(一般的に自律神経症状の改善には、時間がかかる傾向があると感じている)。
しかし、まだ日により背中の張りや不調が出てくるので、気を抜くことはできない。
これまでは常に不調を感じていたステージで、これからは良い状態を定着させるための、次のステージに入っていく。
気候の変化が大きい時季なので、油断をすると体調も変化しやすい。
引き続き、大きく崩れないようにサポートをしていく。
自律神経失調症でお悩みの方はこちらのページを。
腰痛にお悩みの方はこちらのページを参考にしてください。
鍼灸の考え方なども記載しております。
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