不安や気持ち悪さが無くなった
鍼灸ひののき院長の日野です。
不安感やお腹の気持ち悪さが軽減した事例をご紹介します。
■来院された方:一宮市在住、20代女性
■主な症状:不安感、腹部の気持ち悪さ
〇来院までの経緯
来院2週間前から不安感が強く、どうしていいかが分からなくなる。呼吸が浅く、のどが狭まる感じ。家族にも相談できず、来院された。
〇初回来院時の主な悩み
・不安感
・気持ち悪い
・のどの詰まり
〇その他付随する症状
・動悸
・食欲が無い
・呼吸が浅い
〇現病歴
なし
〇鍼灸ひののきの見立て
職場の配置転換があり、新しい職場で上手くできるか、失敗したらどうしよう…と緊張や不安感が強かったようです。どうしたらいいか分からない、何を話したらいいかも分からない、と思考が停止したような状態でした。
新しい環境は少なからず緊張を強いられるものです。その緊張が極度だと心身にも影響が出てきます。東洋医学的には、気のめぐりを滞らせることにつながります。
気が滞ると、呼吸がしづらくなったりのどに違和感が出たり、肩がこったりします。メンタル的には、不安感や焦燥感といった症状が出現します。
内臓の働きも悪くなるので、胃腸の問題も出やすくなります。
緊張状態(気が張った状態)をゆるめてあげると、気と血がめぐるようになり精神の安定にもつながっていきます。
〇鍼灸施術の方針
上記から
「気の滞りを取り除き、きちんとめぐるようにする」ことを目指します。
施術は一週間に1回のペースで始めました。
〇施術経過
・1回目
腹診では、胃やみぞおち辺りの不快感が強かった。脈は細く、肩のこりも強かった。
仰向けで、お腹にある関元という経穴(けいけつ:いわゆるツボ)にお灸をし、腎と関係する経穴の復溜(ふくりゅう)に接触鍼。
うつ伏せになってもらい、ふくらはぎに施術。
最後にもう一度仰向けで、「太渓-腎と関係するツボ」に施術。
内臓の「腎」はリラックスと関係し、深い呼吸を促してくれます。
(※内臓については、施術についてを参考にしてください。)
・2回目
動悸・呼吸の浅さが軽減したが、来院前日からまた出現するようになった。
食欲はまだ戻らない。
朝7時前に家を出て、20時頃に帰宅するという生活。かなり疲れている様子だった。
腎と関係するツボへの施術を増やし、食事内容についてもアドバイスする。
・3回目
不安感が無くなり、推しのライブに行けた。
外食など生活の中で楽しい、と感じることができるようになったとのこと。
楽しいことや好きなことができると気・血のめぐりも良くなるので、良いことです。
ただ、来院数日前からみぞおち辺りが詰まるような感じで、空気や食事が入っていかない感じがあり、立ちくらみもある。気持ち悪さは無かった。
就寝時間が0時を回っていたので、まずは日付が変わる前に就寝するよう心掛けてもらう。
次回は2週間後とした。
・4~5回目
ときどき気持ち悪さが出るが、調子は良かったとのこと。立ちくらみは無く、よく眠れる。
・6回目
調子がよく、1ヵ月空いて来院。
就寝時間が0時過ぎなのと食生活が乱れていたので、生活習慣の修正をアドバイス。
次回から調子が良くても、いきなり間隔を空けないよう伝えた。
・7回目
忙しく、3週後に来院。
空腹感はあるが、気持ち悪くなって少ししか食べられない。
気力も低下している。
初回時より身体の状態が変化しているので、鍼灸施術も状態に合わせて見直す。
腎の強化だけでなく、胃の働きを高める処置を追加。
・8回目
1ヵ月後に来院。
お腹の調子が良く、食欲もあるとのこと。
調子が良いのはとても良いことだが、間隔を空け過ぎるとまた前の状態に戻ってしまうので、焦らず2週後に来てほしいと伝える。
・9回目
調子が良く気力もある。食欲も問題ない。
軽い運動をして、身体を動かしているとのこと。とても良いことです。
次回は3週後に。
・10回目以降
引き続き調子が良い。ここまでくると、かなり身体は安定していると考えられる。
ムリは禁物だが、1ヵ月に1回のペースの施術にする。
〇院長から
忙しいので仕方ないのですが、施術が計画通りに進みませんでした。
年齢が若いとムリが利くので、調子が良くなると施術の間隔が空きがちになりますが、ここでしっかりと継続していくと身体の土台が整いやすくなります。
生活習慣で特に気を付けていただいたのが、
・就寝時間を早める
・食事内容を見直す
・散歩など身体を動かす
などです。
スマホやパソコンの視聴はできるだけ控えていただきたいところですが、新しい職場に配属になったばかりでいろいろ調べることが多く、目の負担は大きかったようです。
その代わり、食生活や睡眠時間は乱れないよう、アドバイスしました。
生活習慣の改善は、すべて完璧にできたらベストですが、実生活ではなかなかそうもいきません。
目を休めることができなければ、食事・睡眠をより気を付ける。鍼灸施術はこまめに受ける。といったことをして、身体のバランスを大きく崩さないようにすることが大切です。
※一事例であり、すべての方に効果を保証するものではありません。






