東洋医学の考え方をもとに鍼灸施術を行っています
かゆみが出たら皮膚科へ、腰が痛ければ整形外科へ、咳が出たら内科へ…
これが一般的な受診の流れだと思います。
複数の科にかかっている方の中には、似たような薬が重複していたり、副作用を抑えるためにさらに薬が増えている方がいらっしゃったりします。
これらは、身体をパーツごとに細分化してみることの弊害の一つではないでしょうか?
人を全体的に捉える視点を持っている東洋医学では、このような弊害を減らせると考えています。
人の身体は、部分の集合ではありません。それぞれが相互に関係し、つながりあって生命活動を行っているのです。
鍼灸は人が本来持っている自己治癒力を引き出すことを目的としています。
薬のように人工的に作られた物質を、外部から体内に入れて症状を抑えるのではなく、自分の内にある力で変化していくことを後押しする方法です。
自己治癒力は、年齢やそれまでの生活習慣などにより、人それぞれ違います。そのため、施術はオーダーメイド、一人ひとりに適したツボや刺激量を選択します。
あなたの中にある自己治癒力を信じてみませんか?
根本原因の改善を目指しています
例えば、コップに水をいっぱいにしたいとします。しかし、コップの底には穴が空いています。これではコップにいくら水を入れても、徐々に抜けてしまいますね。
根本原因である穴を埋めなくては、いつまでたっても水はいっぱいにはなりませんし、水を入れ続けなければいけません。
身体も同じです。根本原因を改善しなくてはいつまでも症状が繰り返されたり、薬を飲み続けたりといったことになってしまいます。
では、根本とはなにか?
東洋医学では「内臓」です。「五臓六腑に沁みわたる」の五臓六腑が内臓で、とくに「五臓」が重要となります。
五臓は、「肝・心・脾・肺・腎」の五つです。一般的に肝臓や心臓といった物質としての臓器は、東洋医学で考える五臓の一部であり、肝=肝臓ではありません。長年の観察・経験から、内臓と身体の各器官や感情などが関係していると考えられてきました。そのため、臓器だけでなく生理的な現象なども含めた大きな概念として捉えています。
そして、五臓六腑が互いにバランスよく働くことで、健全な生命活動を送ることができるのです。
根本原因が改善すれば、いろいろなところに変化が現れます
五臓の一つ「腎」は水を主り、脳、骨髄、耳、膀胱、腰などと関係があります。
私は、アトピー性皮膚炎、中耳炎、おねしょを繰り返す子どもで、中学時代からは何度もぎっくり腰を経験しています。これを東洋医学的にみていくと、
肌の乾燥、かゆみ→水(潤い)の問題
中耳炎→耳の問題
おねしょ→膀胱の問題
ぎっくり腰→腰の問題
と考えることができます。つまり、それぞれの症状は、根本に腎の問題が隠れているのです。
腎の働きがしっかりすることで、関係する耳や膀胱、腰などの症状が良くなっていきます。このように、五臓の働きや互いのバランスが整ってくると、身体のいろいろなところに変化が現れます。
接触鍼という刺さない鍼施術を行っています
足ツボや耳ツボなど、ツボという言葉はよく耳にしますね。
では、ツボはどこにあると思いますか?
ツボは、体表面にあります。
そして、身体の中を通っている経絡とつながっていて、経絡は各臓腑とつながっています。
ツボは正式には「経穴(けいけつ)」と呼びます。また、経絡は経脈と絡脈、孫脈に分かれます。
経脈は太い幹線道路でそこから脇道となる絡脈が流れ、さらに細い孫脈となって体表面までつながっているとイメージしてください。
そして、経絡の中には氣血が流れています(氣血が分かりにくければ、エネルギーや栄養と考えてください)。
体表面のツボ(経穴)に与えた鍼刺激は、経穴とつながっている経絡を伝わり、さらに経絡とつながっている各臓腑へと伝わっていきます。
ツボ(経穴)→孫脈→絡脈→経脈→臓腑 という流れですね。
このように、鍼刺激が伝わることによって経絡中の氣血の流れや臓腑の働き、互いのバランスを整えていきます。
ですから、刺さなくても刺激が根本である臓腑まで伝わり、効果を発揮することができるのです。
(右:記事「接触鍼で副作用軽減」)
症状は身体からのサイン
咳止め、痛み止め、下痢止め…など、症状を抑えるCMが多いですね。
経穴が経絡、臓腑とつながっているとお話ししました。ということは、反対に臓腑の問題が経絡を伝わり体表面に反応として現れます。
咳や鼻水、痛み、下痢などのさまざまな症状は、「根本である臓腑に問題があるよ」という身体からのサインです。
症状を取り除くことだけに目を向けてしまいがちですが、その症状と関係する臓腑や経絡に目を向けアプローチしていくことで、何度も繰り返す痛みやつらさから解放されていくのです。
なぜそのような症状が出ているのか?を考えてみてください。
身体からの大切なメッセージにふたをしないようにしましょう
1回で良くなるわけではない。症状の経過
施術を受けるごとに右肩下がりで痛みやつらさが消えていくのが理想ですが、当院で鍼灸施術を受けられた方は実際にはさまざまな経過をたどります。
これらの症状の経過はあくまで例です。実際には、これらのパターンもあれば、複合したパターンなど人により様々です。
症状の経過には、自然環境や精神的ストレス、生活習慣なども影響します。自然環境を変えることはできませんが、生活習慣はご自身で変えていくことができます。
施術を受けて身体のバランスが整ったとしても、生活習慣が変わらなければ身体のバランスがまた崩れてしまいます。日常生活の中でいかに良い状態を保っていけるかはあなた次第です。
何をすればいいのか、何をしてはいけないのか、生活習慣の改善についてお伝えしていきますので、焦らず・あきらめずに一緒に取り組んでいきましょう!
EFTセッション
からだとこころは密接につながっています。
東洋医学では感情と五臓が関係していると考えています。ですから、鍼灸施術で五臓の働きがしっかりしバランスが整えば、感情も変化していきます。
当院では、痛みやつらさによってネガティブな感情が強い場合は、その感情へ直接アプローチする方法としてEFTセッションをお勧めします。
ただし、来院2回目以降。
セッションは、産業カウンセラー、精神保健福祉士の資格を持った院長が行います。守秘義務がありますので、お話しされたことを他人に漏らすことはありません。安心してセッションを体験してください(自傷他害の恐れがある場合などは、この限りではありません)。
EFTとの出会い
EFTと出会ったのは、本当に偶然です。
本屋さんで「タッピング」というフレーズがふと目に留まりました。気になってページをパラパラとめくっていくと、「ツボ」や「エネルギー」といった鍼灸と通じることが書いてありました。
その日は本を買わずに帰りましたが、何だか気になって後日買いに行きました。今思えば、偶然ではなく、必然の出会いだったのかもしれません。
さて、本を読んでEFTに興味を持ちセミナーに参加することにしました。
セミナーの前日、夜遅くまで仕事をしていたらぎっくり腰になる寸前まで腰が痛くなってしまい、欠席しようか迷うほどでした。
当日、少しは痛みがひきましたが、まだ強い痛みが残っていました。セミナーの中で実際に腰の痛みについて何度かEFTを行ったところ、かなり痛みが取れびっくりしました。
このように、自分で効果を体験しているので自信をもっておススメすることができます!
EFTとは
EFTとはEmotional Freedom Techniquesの略で、日本語に訳すと「感情解放テクニック」となります。「感情のためのツボ療法」とも表現されるエネルギー療法です。
EFTは、ロジャー・キャラハン博士が開発したTFTをベースに、よりシンプルで使いやすい方法としてアメリカのゲアリー・クレイグ氏によって生み出されました。
セッションでは、顔や上半身の決められた8ヶ所のツボ・ポイントをトントンと軽くタッピング(叩く)していきます。タッピングすることで、エネルギー(氣)のバランスが整いネガティブな感情が消えていくと考えられています。
エネルギー(氣)のバランスを整えるところなんかは、鍼灸と通じますね。
こんな方におススメします
長引く痛みやつらさで、
- 気分が落ち込んでいる
- もう治らないんじゃないか
- 歳だから仕方がない
- 仕事も生活も楽しめない
- つい自分を責めてしまう
- イライラや不安感がある
といったネガティブな思考や感情が浮かんでしまう。
※当院では、重度の精神疾患の方は対象外としております。ご了承ください。
EFTのメリット
やり方は簡単で、職場でも家でもその場ですぐできます
道具も専門知識もいりません。一度やり方を覚えてしまえば簡単です。
職場など人の目が気になる場合は、8ヶ所のツボ・ポイントをタッピングするのではなく、人に気付かれないように行う簡易タッピングの方法があります。
セルフケアとして自分ひとりでできます
一般的なカウンセリングとは違い、相手がいなくても一人で行うことができます。
小さいお子さんにも対応しています
やり方が簡単なので、小さいお子さんが自分で行うこともできます。
でも、お子さんが何か心配事や不安を感じていたら、ぜひ、あなたがトントンとタッピングしてあげてください。
信じなくても効果が出ます
「ツボをトントンとタッピングするって、何か怪しい…」と思う方もいるでしょう。
エネルギーやツボ、EFTを信じなくても効果が出ます。
さまざまなシーンで活用できます
職場でストレスを感じたとき、家庭でイライラしたとき、人間関係で嫌な気持ちになったとき、自己嫌悪に陥ったとき、痛みが強くなったとき、子どものことで心配になったとき、などさまざまなシーンで活用できます。
EFTの手順はシンプルで簡単です。
ぜひ、いろいろな場面で活用していただき、「ハッピー」を手に入れてください。そして、周りの大切な人と共有していただき、「ハッピー」なエネルギーを広めていってください。
最後に
当院は、1回ですべての不調を取ることを目的としていません。
数回の施術で症状が消失・改善する方もいらっしゃいますが、そこがゴールではありません。臓腑の働きやバランスを整え、薬に頼らない身体、同じ症状を繰り返さない身体を取り戻すことを目指しています。
薬は症状を抑えることはできますが、予防することはできません。
東洋医学には「未病を治す(みびょうをちす)」という考えがあります。
未病とは、病気とまではいえないが健康ともいえない状態、病気と健康の間の状態といえます。
家事や育児、仕事で無理をしなければいけない時もあると思います。そんな時は、つらくなる前に定期的にメンテナンスをして身体のサビ落としをしてください。
あなた自身が持っている自己治癒力で、健康を維持できる身体をつくっていきましょう。
あなたは、痛みやつらさで何を我慢してきましたか?
あきらめてきた事、我慢してきた事をこれから手に入れていきましょう。