起床時の不調が無くなった
鍼灸ひののき院長の日野です。
起床時の不調が無くなった女性の事例をご紹介します。
■来院された方:岐阜市在住、20代女性
■主な症状:起床時の吐き気、腹痛、頭痛
〇来院までの経緯
職場でいじめにあい仕事を休みがちだったが、来院半年ほど前に退職。朝起きると頭痛、腹痛、吐き気があり、正午頃になると軽減する。退職しても症状が良くならないので、鍼灸を試してみようと来院された。
〇初回来院時の主な悩み
・吐き気
・腹痛
・頭痛
〇その他付随する症状
・肩こり
・疲れやすい
・生理時の腹痛
〇現病歴
なし
〇鍼灸ひののきの見立て
職場でのストレスが強かったようで、半年休養しても調子が戻らなかったようです。
いじめによる精神的なストレスは、つらいものです。
東洋医学的には、気のめぐりの問題が関係していることが多いです。
精神的ストレスを受け続けていると、常に気が張った状態になり気のめぐりが滞ってしまいます。気の滞りは、肩こりや頭痛といった不調を招くだけでなく、血のめぐりも悪くしてしまいます。
通常は、睡眠をとることで頭と体を休め、気血を養って朝に備えるのですが、常に緊張状態だと十分に気血を作れず、朝の活動が始まるときに、身体がまだその状態になれず、さまざまな不調が出やすくなります。
鍼灸によって、緊張状態(気が張った状態)をゆるめ、睡眠の質を高めることで、就寝時に気血がしっかり作られ、きちんとめぐるようにしていきます。
(※内臓については、施術についてを参考にしてください。)
〇鍼灸施術の方針
上記から
「気血がしっかりと作られ、きちんとめぐるよう身体を整える」
施術は一週間に2回のペースで始めました。
〇施術経過
・1回目
腹診では、瘀血(血のめぐりの悪さ)の反応が現れていた。背中の上部に発赤があり、上部の熱がうかがえる。
精神的ストレスが強い方は、このような反応が出ていることがあります。
仰向けで、手足にある経穴(いわゆるツボ)に接触鍼(せっしょくしん…鍼を刺さずにツボに触れる手技)をして、まず気をめぐらす。
うつ伏せになってもらい、ふくらはぎに施術。
最後にもう一度仰向けで、「太渓-腎と関係するツボ」に施術して様子を見る。
・2回目
起床時にスッキリ感を感じる日があった、とのこと。
前回施術後の数日はよかったが、だんだんと調子が悪くなり朝食後に嘔吐することもあった。
生理中で下腹部痛があるとのことで、仙骨部のお灸を追加した。
・3回目
吐き気、気持ち悪さが無かった。ただ起床時の不調は日により波がある。
よく眠れ、食欲も問題ないとのこと。
就寝時間が0時を回っていたので、まずは日付が変わる前に就寝するよう心掛けてもらう。
・4~5回目
吐き気、腹痛、気持ち悪さなし。頭痛は雨天時のみ出る。
施術の間隔を週に1回のペースにする。
・6回目
起床時の不調が無くなった。雨天時にまだ頭痛が出る。
施術ペースを10日に1回へ。
・7回目
前回後から調子がよく、生理中の不調も無かった。
新しい仕事への意欲が湧いてきたとのことで、ぼくもうれしかった。
・8回目以降
2週に1回のペースで施術を継続中。
朝の不調は無くなり、雨天時の頭痛の解消が施術のメインになっている。
〇院長から
わりと早い段階で症状が軽減してきました。年齢的に若かったこともありますが、ご家族が協力的だったこと、素直な方で生活習慣の改善にまじめに取り組んだことも大きかったです。
取り組んでいただいたことは、
・就寝時間を早める
・スマホの視聴を減らす
・散歩など身体を動かす
・趣味を楽しむ
などです。
まじめな方ほど、自分を追い込んでしまいがちです。
趣味や好きなこと、楽しいことに時間を使うことも心身の健康には必要なので、身体に負担をかけない範囲で楽しむことは、ぜひやって欲しいことの一つです。
今回の事例のように、
①鍼灸で身体を整える、②お家で生活習慣を見直す(自助努力)、③家族のサポート
この3つが上手くリンクすると、こちらが驚くほど早く変化することがあり、人の身体・健康の可能性は無限だなと感じます。
※一事例であり、すべての方に効果を保証するものではありません。