寝起きからつらい腰痛が解消した女性の事例
鍼灸ひののき院長の日野です。
寝起きから痛む腰痛の症例をご紹介します。
■来院された方:岐阜市在住、40代女性
■主な症状:腰痛、疲労感
〇来院までの経緯
腰痛だけでなく、疲労感、のぼせ感など複数の不調があり、
知人の紹介で来院された。
〇初回来院時の主な悩み
・寝起きから腰が痛い
・寝落ちしてしまうほどの疲労感
〇その他付随する症状
・便秘
・頸の痛み
・頭痛やふらつきなどのぼせ症状
〇現病歴
なし
〇鍼灸ひののきの見立て
身体の状態を、鍼灸理論のベース「陰陽論」からみてみる。
腰痛や便通など下部に不調が出るということは、「陰」がしっかりしていないことが主な要因と考えられる
(陰陽についてはこちらのブログをご覧ください)。
お話しを伺うと、職場での精神的ストレスが強く、常に気が張っているとのこと。
精神的なストレスは、身体のバランスを陽>陰に傾けやすい。
そのため気を上にのぼらせ、頭痛やふらつきなど上部の症状が出る。
そして相対的に陰が少ないため、腰痛や便秘などの不調が出ている。
次に内臓についてみてみると、
「腎・膀胱」は腰と関係が深い。
腰痛は、東洋医学の観点では「腎」の不調が関係する。
他の症状に便秘もあるとのこと。腎は便通とも関係があるので、このことからも腎の働きを高める必要がある。
精神的なストレスは内臓の「心」に影響し、身体のバランスを陽>陰に傾けやすい。
これは内臓の「腎」に負担がかかることでもある。
なぜなら、腎は「陰中の陰」とよばれる臓であり、陽を抑える働きがあるからだ。
陽>陰は、火が強まっているイメージである。その火を消すために水をかける必要があるが、その役割を腎が担うのである。
火(陽)の要素が強ければ強いほど、火消しの役割である「腎」ががんばり続けるので、腎が疲弊して腰痛やのぼせ症状が出てしまうのである。
(※内臓については、施術についてを参考にしてください。)
また、生活習慣については、帰宅後はクタクタで食事は冷凍食品や出来合いのもので済ませている、とのことであった。
私たちの身体は飲食物でできている。質の悪い食事からは質の悪い栄養(気・血)が作られ、不調を招いてしまう。
良い食事から内臓を養い、健康を維持していきたいが、負のスパイラルに陥っているようである。まずは、食生活の改善が必須である。
〇鍼灸施術の方針
上記をまとめると
・身体のバランス:陽>陰
・主に関係する内臓:腎、心(厳密には他の臓も関係する)
身体のバランスを整えるため、腎の働きを高めるとともに、気がしっかり巡るように肺・大腸と関係するツボに鍼灸をしていく。
生活習慣の見直しとして、良質な気が得られるよう冷凍食品等は控えてもらい、海藻やキノコ類を積極的に摂るように伝えた。
〇施術経過
・1回目
お腹にガスがたまっていたため、気を巡らす必要がある。
大腸のツボ「合谷」と肝のツボ「太衝」にお灸。
「腎兪、日月」などに鍼をして、最後に腎と関係が深いツボ、「湧泉」と「太渓」に鍼をする。
・2回目
全体的に症状が軽減。気力が少し上向きになったとのこと。
便秘と腰痛はまだある。
同様の施術を行う。
・3回目
朝からの腰痛が出なかったとのこと。
お腹のガスや頭痛も落ち着いた。
まだ便秘は残っているので、継続して鍼灸を行う。
「帰りに買い物していく」と笑顔で話してくれたのが印象的だった。
〇院長から
腰痛といっても、寝起きから痛むのか、歩くと痛むのか、座っていると痛むのかなど、状態によって選ぶツボが変わってきます。
また、腰だけでなく身体全体の症状を聴くことで、より鍼灸の精度が高まっていきます。
この方は、職場のストレスが強く、食生活が乱れ、身体の不調をきたしました。
施術の中で会話をすることで、たまっていたものが吐き出されたようで、それも施術効果に大きく寄与しています。
心と体はつながっています。
当院は対話を大切しており、どちらもラクになれるような関わりを心がけています。
がんこな腰痛でお悩みの方は腰痛ページも参考にしてください。
鍼灸の考え方なども記載しております。
岐阜市、一宮市など羽島市近郊でつらい腰痛にお困りの方は、ご相談ください。