不眠が良くなってきた方の事例
今年(2020年)の梅雨は長くジメジメが続き、加えてコロナウイルスの影響もあり、体調を崩す方が多いように感じました。
睡眠に問題を感じて来院された方(岐阜県羽島市在住、男性)の事例です。
主な症状
・夜中に何度も目が覚める
・食欲がない
・食べてものどを通っていかない感じがある
・下痢が続く
・不安感や動悸がある
これまでは朝7時頃までぐっすり眠れていたのに、夜中に何度も目が覚めることが増え、とくに心配になったようです。
体質的なものは
・サウナや長風呂が苦手
・コーヒーを多く飲む
・濃い味が好き
・タバコを吸う
・学生時代から、ひどい便秘
という特徴があります。
では東洋医学的に考えてみます。
鍼灸施術のベースには陰陽の概念がありますので、まずは陰陽で考えてみます。
簡単に例をあげると
陽…熱、火、天、明、昼、動
陰…寒、水、地、暗、夜、静
となります。詳しくは「陰と陽について」をご覧ください。
サウナやお風呂は熱いものです。それが苦手なのは自分が熱いから。磁石のN極同士が反発し合うのに、似ていますね。熱いので「陽」です。
便秘は潤いがない状態です。潤いは水、陰の性質です。それが足りないので、「陽」となります。
濃い味や甘いもの、脂っこいものは「陽」の性質を持っています。
これらのことから、「陽」が強い体質(陽>陰)だと考えられます。
タバコやコーヒーの味は苦いですね。苦味は身体を冷やす働きがあります。夏にゴーヤーを食べるのも、身体の熱を取るために効果的です。
この方がタバコやコーヒーを好むのは、身体の熱(陽)を冷まそうとするためだったんですね。
もともと陽>陰のバランスだった身体に追い打ちをかけたのが、コロナウイルスでした。
コロナウイルスの影響で仕事への不安が強くなり、精神的なストレスを感じていたようです。
精神的なストレスは、身体を陽に傾けます。
したがって、身体はさらに陽>陰の状態になってしまったんですね。
不安感や動悸は、落ち着かない状態ですから「陽」になります。
睡眠は静かな状態ですから、「陰」です。夜も「陰」ですね。
夜眠る、というのは、陰の時間帯に身体が陰の状態になっていること、が重要です。
身体が陽>陰の状態だと、陰がしっかりしていないため、陽の要素が睡眠中に顔を出しちゃうんです。そのため、何度も覚醒してしまうんですね。
鍼灸施術では、陽に偏ってしまったバランスを整えていくことを目指します。
この方は1回/週のペースで通っていただきました。
7日後…食欲が戻り、のどを通らない感じが減った
14日後…週に3日、5時頃まで眠れた
21日後…週に5日、6時30分頃まで眠れた
と良い方向に向かっています。
比較的順調に良くなっていきましたが、そこには3つの大きな要因があります。
1.症状が出てから早めに来院した
やはり症状が出てから鍼灸を受けるまでの期間が早いほど、良くなるのも早い傾向にあります。
また、服薬する前に施術を受けてくれたのも大きいです。
2.生活習慣の改善にすぐ取り組んだ
タバコはすぐには止めれないとのことで、コーヒーを減らすことと飲むなら無糖に。スポーツドリンクを飲む習慣があったのでそれを止めていただきました。
お伝えしてすぐに実践されたのが、すばらしいです。
3.もともとポジティブ思考
不安感は感じつつも、いつか何とかなるだろう、というどこかポジティブな考え方も持っていました。こういった思考の方は、良くなっていくスピードが速いと感じています。
これは一例で、すべての方に当てはまるわけではありませんが、少しでも不眠で悩んでいらっしゃる方の参考になれば、うれしいです。
羽島市近郊で、不眠でお悩みの方は一度ご相談ください。
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