花粉症はなぜ起こる?
先日、大企業の健康保険組合でつくる健康保険組合連合会(健保連)が一部の花粉症治療薬を、公的医療保険の対象から外すことなどを提言しました。「花粉症薬 保険除外を」
また、厚生労働省は軽症者向けの湿布やビタミン剤などの一部を公的医療保険の対象外としたり、自己負担額を増やす方向で検討しているようです。
賛否両論ありますが、薬に頼る治療について考える機会にしたいですね。
今回は、花粉症の症状について東洋医学的に考えてみます。
なぜ症状が出るかが分かれば、対策を打つことができます。
花粉症の代表的な症状は
目のかゆみ
鼻水
くしゃみ
などです。
かゆみ、鼻水、くしゃみはどれも「陽(熱)の症状」です。
湯気や蒸気など、熱は上に上っていく性質があります。身体の中でも上に上っていき、身体の上部に位置する顔に反応が現れるのです。
そして、これらの症状(反応)は、余剰な熱を排出したいという働きです。
では、なぜ余剰な熱が生まれてしまうのでしょう?
中国の古い医学書『素問』には、ある季節の過ごし方が悪いと、次の季節に身体の不調が出ると書かれています。
春に花粉症が出る方の場合、その前の季節の過ごし方、すなわち冬の過ごし方を振り返ってみましょう。
冬は寒いのが当たり前ですが、暖房や防寒着などで暖め過ぎていなかったでしょうか?
とくに暖房は、部屋の上部を温めますので鼻や口から温かい空気が体内に入り、のぼせやすくなります。
秋に花粉症が出る方は、夏の過ごし方を振り返ってみましょう。
夏は暑くて当たり前ですが、クーラーの中で一日中過ごしていなかったですか?
暑いと毛穴を開いて熱を逃がしますが、クーラーの中にいると毛穴は開かず閉じてしまいます。そのため、逃がしたい熱が逃げずに体内にこもってしまうんですね。
また、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎは熱を生み出しますので、このような生活も影響します。
まとめると、
身体に余分な熱が生まれる→身体は熱を排出してバランスを取りたい→かゆみ、鼻水として熱を排出
となります。
結果としての症状だけに対処しようとするのではなく、その根本原因である「身体に余分な熱」を産み出さないようにすることが大切です。