腰痛と鍼灸
当院では、鍼灸施術だけでなく生活習慣の見直し方についてもアドバイスしています。
先日、腰痛で来院された方(羽島市在住の女性)は立っていると痛くないが、座っていると痛くなるとのことでした。
どんなイスに座っているかたずねると、柔らかいソファーとのこと。
ふかふかのソファーは気持ちいいですよね(^_^)
でも、
腰には負担がかかるんです…。
例えば、
・硬い地面の上に立つ
・トランポリンの上に立つ
どちらが楽でしょうか?
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硬い地面ですよね。
柔らかいトランポリンの上で立とうとすると、全身の筋肉を使ってバランスを保たないといけません。
柔らかいソファーも似たようなもので、腰が沈むほど柔らかいと、座った姿勢を保つために腰まわりの筋肉が緊張した状態になります。
この状態が長時間続けば、腰に負担がかかります。
ですから、硬い座面のイスに腰かけた方が負担が少なくなります。
また、足を組む癖がありましたので止めていただき、甘いおやつを食べる習慣がありましたので、それも見直していただきました。
生活習慣や癖は、すぐに止められるものではありませんが、意識していくと徐々に改善することができます。
毎回、施術の前に食事や生活についておたずねしていますが、それも意識付けしていただくためなんですね。
ここからは腰痛について、東洋医学的に考えてみます。
東洋医学では、腰痛の根本原因を「内臓の働きやバランスの問題」と捉えます。筋肉や骨が根っこの問題ではないんですね。
内臓の中でも特に重要なのが、「五臓-肝・心・脾・肺・腎」です。
そして、各内臓には関係が深い身体の部位があります。
肝-胆、膝、筋、爪
腎-膀胱、腰、骨、髪の毛
などです。
原因が何であれ「腰」が痛むときは、まず「腎」の働きに問題がないか?を考えます。
腰椎椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などでは、腰の「骨」の問題なので、腎(と膀胱)が関係します。
腰の「筋肉」の張りや痛みであれば、肝(と胆)も関係してくるわけですね。
また、鍼灸の考え方のベースには、「陰陽」の考え方があります。詳しくは「陰と陽について」のブログを参考にしてください。
陰と陽の例を挙げると、
陽…熱、火、上、昼、動
陰…寒、水、下、夜、静
となります。
先ほどの五臓も陰と陽に分けることができ、腎は「陰中の陰」と表現され、とくに陰と関係が深い臓です。
つまり、「腎の働きの問題」は「陰の働きの問題」と捉えることができ、鍼灸施術では陰をしっかりさせること、が目的となります。
ちなみに、先ほどの方に甘いものを控えていただいたのは、甘いものは「陽」に分類されるためです。
ここまでを整理すると、腰痛は
内臓では、「腎・膀胱」や「肝・胆」が関係し、
陰と陽では、「陰」の働きに問題がある
となります。
(※実際には、他の臓との関係性もみて推察していきます。)
施術では、
膀胱・腎と関係するツボ…腎兪(じんゆ)、陰谷(いんこく)、委中(いちゅう)、太渓(たいけい)
胆・肝と関係するツボ…肝兪(かんゆ)、陽陵泉(ようりょうせん)、丘墟(きゅうきょ)、太衝(たいしょう)
などに鍼をしていきます。
※鍼灸施術について詳しく知りたい方は、施術についてをご覧ください。
羽島市で腰痛にお悩みなら、こちらのページも参考にしてください。
坐骨神経痛と言われたら、こちらから。