ぎっくり腰など腰痛のリスクが高まっています
外出自粛要請が続き、身体を動かす機会が減っています。
リモートワークの推奨で、通勤することが無くなったり座っていることが長くなっていますね。
精神的にも新型コロナウイルスへの不安や自粛要請がいつまで続くのか…とストレスが増大しています。
このような状態は、ぎっくり腰など腰痛のリスクを高めます。
東洋医学的には、身体の中を気血が流れることでさまざまな生命活動を行うと考えます。
気血というと分かりにくいので、ひとまずエネルギーと栄養と思ってください。
ずっとパソコンの前に座っていると、腰回りの筋肉は常に一定の状態で緊張しています。
筋肉は適度に動かすことでポンプのように働き、エネルギーや栄養をめぐらすことができますので、姿勢が一定の状態が続くと流れが悪くなっていきます。
さらに、股関節が常に曲がった状態ですので、ここでも流れが滞りやすくなります。
流れが悪くなれば、筋肉を栄養したり潤してあげることができなくなるので、筋肉がこわばり痛みが出やすくなります。
精神的には不安やストレスにさらされると緊張状態となり、自律神経は交感神経が優位になります。
これは東洋医学的には「陽」の状態で、陽>陰といったバランスとなっています。
※鍼灸のベースとなる考え方に、「陰陽論」がありますので詳細は陰陽についてを参照してください。
さらにパソコン作業やスマホの視聴時間が増えると、目に光刺激が加わります。
光刺激は神経をたかぶらせる働きがあり、これも身体を陽>陰の状態に傾けてしまいます。
鍼灸ひののきでは、腰痛などつらい症状の原因は内臓の働きやバランスに問題があると考えます。
陽>陰の状態になっているとき、陰がしっかりと働けていない状態ともいえます。
陽ととくに関係が深い内臓は「心」で、陰ととくに関係が深い内臓は「腎」ですから、
心の働きが亢進し、腎の働きがしっかりしていない状態
と捉えることができます。
パソコン・スマホによる光刺激や、心身のストレスは「心」に影響し働きが亢進します。
その結果、陽が過剰となり陰(腎)が弱くなってしまうのです。
腎と関係が深い身体の部位は、膀胱、腰、歯、髪の毛、骨などです。
腎の働きがしっかりしないと、関係する腰にも影響が及び、ぎっくり腰や腰痛となって現れるんですね。
また、筋肉を潤す働きは「陰」に分類されることから腎の働きが関係します。腎がしっかり働けないと筋肉の柔軟性が無くなり、肩こりや腰痛の原因になります。
したがって、鍼灸施術では腎の働きをしっかりさせることが重要となります。
腎と関係するツボ
腎兪(じんゆ)、陰谷(いんこく)、太渓(たいけい)に鍼をして働きを高め、
陽と関係するツボ
委中(いちゅう)、跗陽(ふよう)などに鍼をして陽を落ち着かせます。
もちろんこれだけでなく、その他の内臓の状態も考慮してツボを選択し、身体のバランスを整えていきます。
鍼灸ひののきの施術の方針も参考にしてくださいね。
鍼灸施術以外にも自宅でできるセルフケアをご紹介します。
・ストレッチ
腰まわりだけでなく、肩や足もストレッチしてあげましょう。
・座っていることが多い人は、1時間に1回は席を立ち、動く
タイマーを1時間にセットして、強制的に席を立つようにしましょう。
この時に、極端に遠くを見たり近くを見たりして、焦点距離を変えてあげると目の筋肉の運動になります。
・早く寝る
遅くとも日付が変わる前に就寝しましょう。
早く寝ることで「陰」を養うことができます。
・ぶらぶら散歩する
気候的にもずいぶん温かくなり、陽気が増えてきました。
動かない姿勢は、陰と陽では「陰」に分類されますので、季節にマッチしていない状態です。
ただし、ウォーキングのように運動を意識するより、「リラックスしてぶらぶらと歩く」というイメージで行いましょう。
三密を避けましょうね。
また、5月5日の立夏までは「土用」の時期です。
今まで以上にお腹に負担をかけないことが大切です。
腹七分目にして、味が濃いものや脂っこいもの、添加物が多いものを控えましょう。