ほどほどに動き、ほどほどに休む
「動作を勤めて、安を好むべからず」
杉田玄白の『養生七不可』に出てきます。
横になってばかりいないで、動きなさいよ。
ということです。
一日中、ゴロゴロと寝てばかりいては、身体のリズムが乱れますし活力も湧いてきません。
だからといって、動かなきゃいかん!と運動や筋トレに励み過ぎるのも逆効果。
休み過ぎてもダメ、動き過ぎてもダメ。
何事も適度、中庸が大切です。
以前、暑いからと一日中家の中にいて、読書かTVを見ていることが多いという方がいらっしゃいました。
たしかに外は暑過ぎるので、炎天下の中散歩するのは熱中症の危険があります。
来院時に、身体の状態から、
「汗をダラダラとかき過ぎたり、筋トレをするのは避けた方がいいですよ。」
とアドバイスをしましたが、ほとんど家の中で座りっぱなしは良くないです。
家の中にいても掃除をしたら、身体を動かします。2階があるお家だったら階段の昇り降りで足を動かしますし、ぞうきんがけをすれば腕も使います。
また、料理は頭も使いますし、細かい作業で指先も使います。
そうじと料理だけでも、けっこう健康的な生活が送れます。
健康のために運動しなくちゃ!と気負うと続かないものですし、何よりやり過ぎることで体調を崩すのが心配です。
日常生活の中で、適度に身体を動かせたらいいですね。
先ほど、身体の状態から、汗をダラダラとかき過ぎたり、筋トレをするのは避けた方がいいですよ。
とアドバイスしたと書きましたが、どういう事かを東洋医学的に説明します。
少し専門的になりますので、興味がある方はお読みください(^_^)
この方は、花粉症や便秘、こむらがえりといった症状がありました。
お身体は、陽>陰の状態と考えられます。
汗をダラダラかくという事は、汗=水分=陰が身体からたくさん抜けてしまうということです。
そのため、陽>陰の状態が助長されてしまうんですね。
また、筋トレは筋肉に負荷をかけることですが、その前提として筋肉に潤いがあって柔らかくないとケガをしてしまいます。
潤いは陰の要素です。
陽>陰の状態では潤す働きが十分にできないので、ケガをしやすくなります。
以上のことから、この方に筋トレや汗のかき過ぎは要注意、とお伝えしたのです。
ぎっくり腰になりやすい方や慢性腰痛の方もお気をつけくださいね。