腰痛だけですか?
腰痛で来てくださる方の多くが、その他にも悩みを抱えています。
例えば…
肩こり
膝の痛み
かゆみ
頭痛
めまい
睡眠障害
生理時の不調
などなど。
東洋医学の視点で身体を捉えると、さまざまな不調が関連してつながっていることが分かります。
今回は、私のことを例に挙げてみます。
私は子どものころ、アトピー性皮膚炎や夜尿症に悩み、中耳炎もくり返していました。
中学生になると、ぎっくり腰デビュー(+_+)
社会人になっても腰痛持ちで、何度もぎっくり腰に泣かされました。
これらの症状を個別に捉えると、皮膚科や耳鼻科、整形外科に行って、それぞれ薬をもらい…ということになります。
東洋医学の視点で捉えると、どうなるでしょうか?
まず「陰と陽の視点」で考えてみます(詳しくは「陰と陽について」を参照ください)。
アトピー性皮膚炎や中耳炎の文字に「炎」がついています。「火」が二つですね。
火は熱の要素ですので、「陽」に分類されます。アトピー性皮膚炎の肌は、カサカサして潤いがない状態ですね。このことからも、身体が陽に傾いていると考えることができます。
陽>陰の状態です。
次に内臓から考えてみます。
さまざまな不調の根本は、
「内臓の働きやそれぞれのバランスの問題」
と考えます。
内臓の中でも特に重要なのが「肝・心・脾・肺・腎」の五臓。これらの働きやバランスの問題が、さまざまな不調として現れるのです。
そして、内臓にはそれぞれ関係が深い身体の部位があります。
例えば、
肝…筋、爪、膝、目
腎…膀胱、髪、腰、耳
などです。
ここから中耳炎やぎっくり腰は、「腎の働きに問題があるのかな?」と推測ができます(皮ふは肺が関係します)。
また、内臓も陰と陽に分けることができ
陽…心、肺
陰…脾、肝、腎
となります。
なかでも「心」は「陽中の陽」と表現され、とくに陽の要素が強い臓で、「腎」は「陰中の陰」と表現され、とくに陰の要素が強い臓と考えられています。
私の身体の状態は
陽>陰
でしたね。
これを内臓に当てはめて考えると、腎(陰)の働きがしっかりしていないので、心(陽)が旺盛な状態とみることができます。
先ほど身体の部位と内臓の関係から、腎の働きに問題があるのかな?と推測したことが、陰と陽の関係性からみても当てはまることが分かります。
つまり、アトピー性皮膚炎や中耳炎、ぎっくり腰は、
大きく捉えると
陽>陰の状態
だったために現れていた症状であり、
これを内臓に当てはめて考えると
腎の働きがしっかりしていないこと
が根っこにあるのが分かります。
ということは、根っこである「腎」の働きがしっかりすれば、これらの症状が変化していくことが期待できるわけですね。
私は自分の身体のことが分かったので、腎に負担をかけない生活をこころがけています。
具体的には、「早く寝る」ことをメインにして
・夕食は軽めにする
・長風呂しない(湯船に浸かることは滅多にありません)
・冬に温め過ぎない
・夜はパソコンやスマホは極力触らない
といったことを実践しており、ここ数年はぎっくり腰知らずの生活が送れています(^_^)
-・-・おまけ-・-・
ここからは、鍼灸施術についてです。
少し専門的ですので、スルーしてもOKです。
以上の状態から、鍼灸施術では
余剰な熱をさばいて、陰をしっかりさせる
ことが施術目標になります。
根っこの問題である「腎」は陰に分類され、関係する内臓「膀胱」は陽になります。
腎と関係するツボ…太渓、陰谷、腎兪
を補って
膀胱と関係するツボ…委中、跗陽
などに瀉法(さばく、取り除くといった手技)をしていきます。
もちろん他の内臓も関連していますので、実際の施術はこれだけではありません。
便通や他の症状なども考慮してツボを選択していき、バランスを整えていきます。