炎症ってなに?
足首をねんざすると赤く腫れあがって、動かすこともできないくらい痛みが出ますよね。
このような状態を炎症といいますが、
炎症は
発赤、熱感、疼痛、腫脹、機能障害
の5つの特徴が現れるとされています(必ずしも全てが出るわけではありません)。
なんか難しそうな名前が並びますが、
「赤く腫れて熱を持ち、痛くて動かせない」
ということです。
足をひねったとか、どこかを痛めた…
という時は分かりやすいんですが、炎症は関節以外にも身体の内部で起こっていることがあるんです。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因となります。
最近の研究では、動脈硬化の原因は慢性的な血管の炎症だということが分かってきました。ねんざのような炎症は分かりやすいですが、血管の炎症のような慢性的なものははっきりとした自覚症状がありません。
そのためじわじわと痛めつけ、気づいた時には動脈硬化→心筋梗塞という恐ろしい結果を招くことになってしまうのです。
そして、このじわじわと長期的な炎症は、うつ病にも関係していると考えられています。
さて、この炎症を東洋医学的に考えてみます。
炎症の「炎」は火が二つあるように、「ほのお」つまり熱(陽)の性質があります。
(※陰と陽についてはこちらのページを参照してください。)
最初に挙げた特徴は
発赤、熱感、疼痛、腫脹、機能障害
でしたね。
「発赤、熱感」は、赤い、熱いといったイメージが湧くと思いますので、これらが陽に分類されるのは分かりやすいかもしれません。
「腫脹」は、腫れることです。
お餅を温めるとプクーっとふくれます。つまり、腫れる・膨らむといった時は、陽の要素が関係してきます。
「疼痛」は陽に分類されるのですが、少し複雑なのでここでは省略します。
「機能障害」は、痛くて動かせないということです。
動かせない→安静にしていたい
これは、陽が旺盛なので陰を求める状態、ということなのです。
ということで、総合的にみると身体は
陽>陰の状態
とみることができます。
よって、陰をしっかりさせることができれば、炎症を抑えることができる。結果的に動脈硬化や心筋梗塞、うつ病の対策にもなり得るというわけです。
では、施術でどのように陰をしっかりさせるか?
東洋医学では、どのような症状であれ、その根本を内臓の働きやバランスの問題と考えます。
内臓、とくに「肝・心・脾・肺・腎」の五臓が重要で、陰と関係が深いのは「腎」です。
腎は「陰中の陰」と表現され、身体の水を主(つかさど)る臓でもあります。
陰をしっかりさせるということを内臓に当てはめると、腎をしっかりさせるということになるんですね。
ですから施術においては、腎に関係するツボを選択し鍼をしていきます。
鍼の手技には、足りないものを補う「補法」と余剰なものをさばく「瀉法」があります。
今回は陰をしっかりさせたいので腎を補い、あわせて余剰になっている陽をさばいていきます。
おまけ
腎は腰痛とも関係します。
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