眠れないときにやってはいけないこと
布団に入ったのに、寝付けない…
何度も寝返りをうつ…
あの時間、つらいですよね(*_*)
寝付けないとき、どうしていますか?
.
.
テレビやスマホで時間をつぶす…
はNGです。
東洋医学的に考えてみます。
鍼灸の考え方のベースには、陰陽の概念がありますので、まず陰陽から考えてみます。
(※陰陽については、こちらを参考にしてください。)
例をあげると
陽…熱、火、上、昼、動
陰…寒、水、下、夜、静
となります。
夜は「陰の時間帯」です。睡眠は静かな状態ですから「陰」に分類されます。
つまり、陰の時間に、身体も陰の状態にして、睡眠に入るのが自然な状態なんです。
寝付けないと、やることもないし、落ち着かないし…、
でスマホを見たり録画したドラマを見たりして、眠気が来るのを待つこともあるでしょう。
スマホやテレビ、パソコンの光刺激は、神経を高ぶらせる働きがあります。高ぶっているので、この状態は「静」ではないですよね?
陰の時間帯に陽の状態になっているのです。
これでは寝付くこともできませんし、良い睡眠を取ることも難しいでしょう。
寝付けなくても光刺激は避けて、部屋を暗くして目を休めることが大切です。こうすることで、たとえ寝れなくても身体への負担を少なくすることができます。
次に内臓への影響を考えてみます。
鍼灸施術では、様々な症状の根本原因に「内臓の働きやバランスの問題」があると考えます。
「五臓六腑に沁みわたる」の五臓六腑が内臓で、とくに肝・心・脾・肺・腎の五臓が重要と考えます(※詳細は施術について)。
そして、各内臓には関係の深い身体の部位があります。
例えば、
心(しん)…小腸、目、舌、耳
腎…膀胱、腰、骨、歯、髪の毛
などです。
スマホやテレビなどの光刺激は目に入り、心(しん)に影響します。
心に負担がかかれば、他の部位-小腸、舌、耳などへも影響するので、便通異常、舌が荒れる、耳鳴り、などの症状が出ることもあります。
睡眠障害がある方の中には、耳鳴りを訴える方もいらっしゃいます。それは、こういうことから説明することができるんですね。
以上をまとめると、
夜のスマホやパソコン、テレビなどの光刺激は避けましょう。
なぜなら、
・光刺激は神経を高ぶらせ、陰の時間帯に身体を陽>陰にしてしまう
・内臓では心に負担をかけ、耳鳴りなどの症状を招くことにもなる
からです。
対策として、
寝れなくても部屋を暗くして、目を休める。
寝る1時間前には、スマホを触るのを止める。
などをしてみてくださいね。
さて、ここからは少し深堀りしていきます。
心は「陽中の陽」と表現されるように、陽の性質が強く、負担がかかると熱を持ちやすくなります。
上の陰陽を思い出してください。
熱は陽でしたね。
熱を持ちやすくなる、ということは身体のバランスが陽に傾く、ということです。
そうなると、相対的に陰が不足してしまいます。
この陰に対応する内臓が、「陰中の陰」と表現される「腎」です。陰が不足するということは、言い換えれば腎の働きが悪いともいえます。
腎と関係する部位は、膀胱、腰、骨、歯、髪の毛でしたね。
つまり、腎の働きが悪くなると、頻尿、腰痛、椎間板ヘルニア、脱毛などの問題も出てきてしまうわけです。
たかがスマホと侮るなかれ。
身体はそれぞれ関連しているので、いろんなところに影響が及びます。
鍼灸施術では、これらをふまえて陰陽のバランスを整えていきます。
とくに腎はとっても大切な臓ですので、腎と関係するツボである腎兪(じんゆ)、陰谷(いんこく)、太渓(たいけい)などは施術に欠かせないツボとなります。
また、陰陽のバランスは自律神経の交感神経と副交感神経に置き換えることもでき、交感神経が陽で、副交感神経が陰となります。
睡眠の問題だけでなく、自律神経失調症かな?と思ったら、こちらのページも参考にしてください。