長年の首の痛みが軽減した事例
「首の右側が痛くて、ひどくなるとソフャ-でぐったりする…」
長年の首の痛みに悩んで来院された40代男性の事例。
10代の頃から、首の痛みが持病のようになっているとのこと。
首の痛みの他に
・イライラする
・時々腰痛がある
・口の中がねばつく
・かゆみが出ることがある
・手やわきに汗をかきやすい
などの症状がありました。
「仕事のことで頭の中がパンパン」
とも話していました。きっと相当お疲れなんでしょう。
生活習慣として、毎朝栄養ドリンクやニンニクサプリを飲んでいます。
偏食があり、おやつをよく食べるそうです。
これらのことから、なぜ首の痛みがなかなか良くならないのか?
東洋医学的に考えていきます。
鍼灸施術の考え方のベースには、陰陽の概念がありますので、まず身体を全体的に陰陽の視点で捉えてみます。
(陰陽の詳細はこちらを参考にしてください。)
陽…上部、熱、火、動
陰…下部、寒、水、静
です。
首は身体の上部に位置しますので、陽。
口がねばつくのは潤いがない状態なので、陽。
イライラしている状態をイラストにすると、顔が真っ赤になっていたり頭から湯気が上っていたりしますよね。
つまり陽です。
かゆみも陽の症状です。
このことから、身体の状態は
陽>陰
とみることができます。
この方は、幼少期からじんま疹に悩んでいたそうです。
おそらく小さい時から、身体は陰が足りない状態だったのでしょう。
次に、内臓について考えてみます。
東洋医学では、いろいろな症状の根っこには内臓の働きやバランスの問題があると考えます。
内臓の中でもとくに重要なのが「肝・心・脾・肺・腎」の五臓です。
心(しん)は「陽中の陽」と表現され、
陽の要素が強く、またストレスの影響を受けやすい臓です。
この方は、仕事のことで頭がパンパンですので常に緊張状態、ストレス状態と考えられます。
手のひらやわきに汗をかきやすい、という症状は「心(しん)」が関係します。
緊張すると手やわきに汗をかくことからも、関係性が分かりますね。
そして、心は小腸とも深い関係にあります。
小腸の経絡は、腕や肩、首を通っていきます。
これらのことから、この方の首の問題は心や小腸が関係しているとみることができます。
心が「陽中の陽」なら、その反対の「陰中の陰」の臓はどこでしょうか?
「腎」です。
腎は、膀胱、腰、骨などと深い関係がありますので、腰痛が出るわけですね。
横になりたくなる、というのも腎の働きが弱っていると出てくる症状です。
以上をまとめると、
身体の状態は
陽>陰
関係する内臓は
心、小腸、腎
となります(実際は、他の臓も相互に関係してきます)。
鍼灸施術では、
小腸と関係するツボ…腕骨(わんこつ)
首回りのツボ…天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)
腎と関係するツボ…腎兪(じんゆ)、陰谷(いんこく)、太渓(たいけい)
を選択。
腕骨、天柱、風池からは熱をさばきく(過剰な陽を抑える)鍼をして、腎のツボ、腎兪、陰谷、太渓で陰を増やすようなに鍼をすることで、バランスを整えていきました。
また、生活習慣の見直しとして、栄養ドリンクやニンニクサプリは熱の要素が強いものですので、控えていただき、就寝時間も早めて、日付が変わる前には寝るように心がけていただきました。
3回目の施術で、ソファーでぐったりするほどの痛みやだるさは無くなったので、施術の間隔を空けて通院していただいています。
羽島市近郊で首の痛みにお悩みの方は、一度ご相談ください。